群雄割拠の時代に突入する飲食店業界の中で、何だかんだ言いつつもアンナミラーズの今後を心配する、片桐紀長による檄文(げきぶん)を再録します。
_ きょうは昼休みが1時間あとにシフトされてしまったので、職場からちょい離れたところにある店で昼食にした。店内の雰囲気が非常に素晴らしい(どこぞの「至高のメイド喫茶」など比較にならない)のだが、値段の割にフーズが特にいいというわけでなく、まぁ普通。あと、アンティシペイト(予知)もお世辞にもよいとはいえない。
_ 普通だったら、わざわざ何度も足を運ぶ気が起きそうもない店なのだが、それでも週1くらい行ってみたくなるのは、何でだろう…と思った。
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で、今日行ってみてようやく気付いたのだが、ここの店って、俺のことを「知っている」んだな…ということ。もちろん、初めて行ったときから顔バレしているわけじゃないわけだが。
例えばの話、俺がどのあたりに勤めているかとかいう情報は、別に店としてさして重要なわけでない。でも、次に来たときに店員さんがそのことを覚えていてくれていれば、ちょっとは嬉しいものだ。
_ 以前、新川義弘氏が書かれていた「シンカワさんのサービスマン日記」には、「レストランの最高のサービス。それは、いつもあなたを知っていてくれること。」というコピーが掲げられていた。新川氏の主張(参考)にある「リコグニッション」(認知)を一言で表したものといっていいだろう。
_ リコグニッションの対極といえば、何度行っても、必ず俺に喫煙席・禁煙席の別を尋ねる店長のいる店があった。近頃は、その店ではホールにスタッフが最低限しか姿を見せないことが多く、何か頼もうにもいちいち「すみませーん」と言う必要がある状態にまでなってしまった。当然、その店には行ってない。
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接客業はいきおいストレスがたまりがちで、どうしても楽な方に流れがちになるのだと思う。それでも、店として、「よいサービス」を常に心がけているかどうか…によって、結果として客が受ける印象は大きく異なってしまうのだと思う。
きちっとホール業務を回していくことは重要だが、それは最低条件でしかない。
_ その店には、うわべだけでない「この店に来て良かった」と思わせてくれるサービスが、ありますか?
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